超音波検査士の健診領域を受験しようと思ってます。どんな問題が出るのかな?勉強方法やおすすめの参考書があれば教えてほしいです。
こんな疑問に答えます。
こんにちは。
超音波検査士2領域を取得しているカエルです。
この記事では、超音波検査士の健診領域について試験の概要や特徴、勉強方法について解説しています。
資格試験を受験する場合、事前の情報収集は大切です。
私が初めて超音波検査士を受験した時に勉強方法に関する具体的な情報が見つけられず、苦労しました。
なので、「こんな記事があったらいいな」という思いで当記事を作りました。
筆者は健診領域の超音波検査士は取得していないため、知人や職場の同僚の情報をもとに記載しています。
「どんな教材使って勉強したらいいのかな」「仕事と並行しながらで合格できるか不安」という方におすすめな内容です。
超音波話検査士の受験情報についてはこちらの記事をご覧ください。
それでは、どうぞ。
試験内容のチェック
効率よく勉強を進めるには、まず「敵を知ること」からです。
まずは試験の内容について確認していきましょう。
試験範囲
試験範囲は、以下のとおり試験範囲が幅広く、健診を中心に必要な解剖や疾患の概念、超音波所見などが出題されます。
- 疫学
- 消化器領域
- 腎臓
- 体表領域
- 血管領域
- 骨盤腔領域(膀胱・前立腺・子宮・卵巣など)
詳しくは、日本超音波医学会の超音波検査士研修ガイドラインを確認しましょう。
試験の形式と合格基準
次に試験の形式・合格基準です。
試験の特徴は、なんといっても問題量が少なく、1問の配点が高いことです。
- 試験時間は70分間
- 問題数は35問
- マークシート形式で5つの選択肢から1つまたは2つを選ぶ
- 合格ラインは正答率60%以上
試験時間70分に対して、35問の問題が出題されるので、単純に計算すると1問にかけられる時間は2分しかありません。
見直しの時間も考えると、1問を1分弱で回答していきたいところですね。
合格基準は6割なので21問以上正解すると合格となります。
ここだけは押さえたい!最近の出題傾向
出題傾向としては、以下の4つを押さえておくことが合格の近道です。
最近の出題傾向4つ
- 肝臓・膵臓・疫学の問題が多い
- カテゴリー分類は暗記必須
- 全体の1/2は画像問題
- サインは1〜2問出題
✔ 肝臓・膵臓・疫学の問題が多い
出題数の多い上位3つは、肝臓・膵臓・疫学。その中でも肝臓がダントツで多いです。
各領域における問題数の内訳
疫学:4~5問
肝臓:9~10問
膵臓:4~5問
胆嚢:1~2問
脾臓 :1~2問
乳腺:3~4問
甲状腺:1~2問
大動脈:1~2問
この傾向は、ここ数年内変わっていないため、出題の多い領域順に注力して学習しましょう。
✔ カテゴリー分類は暗記必須
健診領域は、腹部超音波検診判定マニュアルにあるカテゴリー分類の暗記は必須です。
各カテゴリーは、各臓器毎の超音波検査所見に応じて決められています。
例えば、
膵嚢胞性病変5mm以下▶︎カテゴリー2
膵体部の主膵管径3mm以上▶︎カテゴリー3
膵低エコー腫瘤▶︎カテゴリー4
など脈管径や腫瘤の大きさによってカテゴリーが変わります。
こうした問題は、出題者側は問題を作りやすく、受験者にとっては間違いやすい箇所であり、健診領域が難しいと言われる理由と思われます。
✔ 全体の1/2は画像問題
画像問題の出題率は他の領域試験と比べて、全体の1/2程度と最も高く、画像は典型的なものが出題されます。
問題は、画像から所見や疾患名、カテゴリーを答える問題が多いです。
画像が読めないと即終了となってしまうため合否に直結する重要な要素です。
画像問題を攻略するためには、できるだけ早いうちから勉強をするときに画像も見る習慣をつけ、画像慣れをしておくことが大切です。
✔ サインは1〜2問出題
消化器領域には、多くのサインがあります。
サインは1〜2問ほど出題されるためサインをまとめて整理しておくと良いですね。
テキストを選ぶポイント
試験のテキストは「参考書」と「問題集」の2冊を購入するようにしましょう。
もちろん教材選びには、わかりやすい内容であることが基本ですが、それ以外に重視するべきポイントは以下のような点です。
テキストで重視するポイント
- 最新版である
掲載されている情報が古い場合、ガイドラインの変更や最新の出題傾向が反映されていない可能性があります。教材は必ず最新版を選ぶことが大切です。
- 信頼性のある出版会社や著者
出版会社は試験を主催している団体の本を選ぶことが第一選択です。試験問題の基準となるため、その教材を選べば効率良く勉強することができます。
- 口コミ・評価が高い
口コミやレビューでは実際の利用者の声を聞くことができます。購入する前の参考として役立ちます。
それでは上記で紹介したポイントを踏まえて、受験者に選ばれているおすすめのテキストを紹介します!
問題集
【超音波検査士・超音波指導検査士認定試験問題集(第5版)】
◆ 資格試験に対応した唯一の公式テキスト
認定試験を実施している日本超音波医学会編集による認定試験問題集。2021年度5月に改定された最新版です。過去に試験で出題された中から代表的な各領域の問題を厳選し掲載されており、試験の傾向や試験形式に慣れるためのマストアイテムです。翌年違う領域を受験する場合にも使用できます。
良いレビュー
超音波検査士の勉強をするなら必須の一冊です。試験対策だけでなく、普段の勉強にも使えます。この本をしっかり仕上げれば合格できると思います。
yahoo!ショッピングレビューより
良くないレビュー
基本は押さえてあると思うのですが、解説が物足りない様な気がします。
Amazonカスタマーレビューより
参考書
【超音波検査士認定試験対策:臨床編 消化器領域・健診領域 Book 1 テキスト: 過去問分析~出題のポイントで学ぶ!】
【超音波検査士認定試験対策:臨床編 消化器領域・健診領域 Book 2 模擬試験】
◆ 消化器領域の合格に必須の2冊
2022年に出版された最新版。試験を徹底分析して作られたテキストで、頻出問題が厳選されて掲載。無駄を省きながらも重要なポイントをしっかり押さえているので、効率的な学習ができます。Book1でインプットし、Book2でアウトプットすることが大切です。超音波検査士の問題集に収録されている問題は少ないので、消化器領域の合格にはこの2冊は必須といえます。
筆者も受験時に使用した参考書です。これがあるとないとでは勉強効率が断然違うので消化器受験者には必須のテキストです。試験が終わっても愛用できるので1冊は持っておきたいですね。
効率的な勉強方法とは
参考書は準備できたけど、何から始めたらいいんだろう。
初めて受験する場合によくある悩みですね。
試験の勉強方法は、1歩間違えるとせっかくの努力も無駄になってしまいます。
なので、超音波検査士を取得している筆者が「勉強する時に抑えておきたいポイント4つ」を紹介します。
勉強のポイント4つ
- 問題集で問題の傾向をつかむ
- 分散学習方法で効率的に暗記する
- 参考書1冊をしっかり読みこむ
- 完璧を求めない
問題集で問題の傾向をつかむ
「参考書である程度勉強してから、問題集で確認する」といった勉強方法はおすすめしません。
まず最初にすることは、その資格試験に関する問題の傾向を把握し情報を集めることが先決です。
最初に参考書から手を付けると、どこが重要なのか分からず、気づいたときには本全体がマーカーだらけという状態になりかねません。
問題集から解きはじめ、問題の傾向を把握してから勉強することで、重要な部分が明確になるので効率的に勉強することが出来ます。
分散学習方法で効率的に暗記する
超音波検査士は1日ははるか1週間内で暗記できるほど容易い試験ではなく、長期的に勉強する継続力が必要です。
勉強方法は人それぞれですが、休みの日にまとめて長時間勉強するより、5分でも10分でもいいので、毎日取り組み、勉強を習慣化させることが大切です。
日々忙しいあなたにおすすめな勉強方法としてメンタリストDaiGoさんが提言している『分散学習法』です。
分散学習とは「いったん記憶したことを、忘れかけてきたタイミングで反復して学ぶ」という学習法です。
これは人間の忘却曲線の理にかなった方法であり短期記憶から長期記憶へとつながる効率的な勉強法です。
勉強する流れとしては、週末に新しい知識を取り込み、平日にその勉強した内容を分割して復習すると時間にも余裕がとれ継続しやすいと思います。
参考書1冊をしっかり読みこむ
効率的な勉強法は参考書を1冊に絞ってとことん読み込みましょう。
あれもこれも参考書を取り入れると、それぞれの本によって言い回しが異なったりと、まとめるのに時間がかかってしまいます。
1冊の教材を完璧に仕上げると、基礎知識の基盤ができるため、勉強がとてもスムーズに進みやすくなります。
最終目標としては何か単語を思い浮かべた時に、このページのここに書いてあるくらいまで覚えるとベストでしょう。
その後、足りない部分を別の参考書で補うくらいで十分です。
完璧を求めない
最後に1番大切な内容をお話します。
それは完璧を求めないことです。
中には「ただ合格するだけでなく、しっかりと知識を身につけておきたい」と考え、完璧な理解を目指そうとする人がいます。
ただ、完璧な状態を目指していると、勉強時間をどれだけ確保しても足りません。
資格取得に求められる合格点はその分野に関する「一定以上の」知識を有していることなので、完璧は捨てましょう。
実力を最大限発揮できる試験前日の行動とは
さいごに今まで勉強した成果を最大限発揮するための行動にについて見ていきましょう。
今までの成果を最大限発揮するために前日にすることは以下の4つです。
前日にやるべきこと4つ
- 必要なものを準備する
- 試験会場を確認する
- 十分な睡眠をとる
- 試験当日の時間配分を決めておく
✔️ 必要なものを準備する
当日必要なものは必ず前日のうちに準備しておきましょう。
そうすることで、試験当日の朝に慌てる必要がなくなりますし、何より明日への備えが万全ならば安心して眠ることができ、翌日のパフォーマンス向上に繋がります。
必要なモノ
- 受験票
- 筆記用具(BまたはHBのえんぴつや消しゴムは2個)
- 腕時計
- 参考書・まとめノート
- 飲み物・食べ物
- 上着・ひざ掛けなどの防寒具
- お金(現金・ICカード)
- マスク
赤字は必須の持ち物です。最悪、何か忘れものをしても赤字のものさえ抑えとけばなんとかなります。
✔️ 試験会場を確認する
遅刻したり、道に迷うと、そこで相当の集中力と労力を使ってしまいます。
何時に起きるのか?
何時に家をでるのか?
どのようのな経路で会場に行くのか?
何時に会場に到着するのか?
会場は余裕を持って着くように前日に調べておきましょう。
1時間前には到着していると会場の緊張感も溶けてより実力が発揮できるでしょう。
試験会場
東京
- 住所
東京都渋谷区南平台町16−17 住友不動産渋谷ガーデンタワー1F・B1
- 電車
井の頭線「神泉駅」南口徒歩6分
JR線「渋谷駅」西口徒歩10分
メトロ「渋谷駅」A0出口徒歩9分
※ちなみに私は東京の会場で受験し、近くのデニーズで1時間勉強してから会場に向かいましたが、そこそこ混んでるのでご注意ください。
大阪
- 住所
大阪府大阪市北区中之島5丁目3−51
- 電車
京阪電車中之島線「中之島」2番出口すぐ
JR大阪環状線「福島駅」徒歩15分
JR東西線「新福島駅」3番出口徒歩10分
阪神本線「福島駅」3番出口徒歩10分
メトロ「阿波座駅」中央線1号出口・千日前線9号出口 徒歩15分
✔️ 十分な睡眠をとる
受験前日だからといって、夜遅くまで勉強をするのは逆効果です。
睡眠不足は能率が下がるほか、記憶力に影響が出ることもあります。
前日の理想的な睡眠時間は6〜7時間程度です。
生活が夜型になっている場合は、遅くとも試験1週間前には朝型にしておくようにしましょう。
✔️ 時間配分を決めておく
最初にお話しましたが、1問にかけれる時間は1分弱のため時間配分が試験合格の要です。
試験で「時間がいつも足りなくなる人」「最後でいつも焦ってしまう人」は要注意です。
試験時間は70分で問題数35問なので、時間配分の目安としては、
- まず全問題を確認する 40分(1問1分弱)
- わからない問題を解く 20分
- 解答用紙の確認 10分
という流れですね。
ここで注意することは、わからない問題に当たったら最初に言った時間配分を忠実に守ることです。
わからない問題に時間をかけて、焦って確実な問題を落としてしまうのはかなり勿体ないことです。
効率的にかつ確実に問題が解けるように時間配分を事前にしっかり決めておき、それを忠実に守ることが大切です。
以上、超音波検査士の健診領域について解説してきました。
参考にしていただけましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
おわり