心電図 資格

CDRとは?受験資格、試験内容、合格率などを徹底解説!

2022年12月28日

質問者

CDRってどんな資格なんだろう?試験内容も詳しく知りたいな。

こんな疑問に答えます。

こんにちは。臨床検査技師のカエルです。 

この記事では、日本不整脈心電学会が行っているCDR認定資格について解説しています。

記事の内容

  • CDRって何?
  • 試験の内容は?
  • 更新方法

記事の内容については日本不整脈心電学会 CDR認定制度および一般社団法 人日本CDRセンターのHPを参照しています。詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。

それでは、どうぞ。 

CDRってどんな人?

CDRとは、「Cardiac Device Representative」の略で、ペースメーカ/ ICD関連情報担当者のことです。

日本におけるペースメーカー植込み件数は年々増加しており、65歳以上の100人に1人がペースメーカーを使用していると言われています。 

科学技術も日々進歩していて機器は小型化して薄くなり、さらに高性能・多機能化によって一人ひとりの患者の容態に合わせて最適な治療を行なうことができるようになりました。

 その中でペースメーカーやICDにおける専門的な医療機器の知識や技術を持ち、機器の適正使用と使用上の安全確保や医療スタッフのサポートととして活躍するのがCDRです。 

なぜCDRが必要?

なぜCDRという資格が必要になったのか現状と課題は以下のようなトピックが挙げられます。

  • 早すぎる進化スピードと機能の複雑化
  • 超高齢化社会に向けての準備

早すぎる進化スピードと機能の複雑化

ペースメーカやICDの医療機器は近年の科学技術の発展が目覚ましく新しい機能を追加した新製品が次々と販売されています。

医療従事者は、機器の適正使用と使用上の安全を確保するためには常に新しい情報を集める必要がありますが、新製品が販売されるスピードも早く、解析や特殊機能の設定はますます複雑化しているため困難を要しています。

常に情報収集と他の業務を同時並行で行わなければいけない医療従事者にとって負担が大きく、そのためにも専門の知識・技術を持ったスペシャリストの育成が必要とされます。

超高齢化社会への準備

日本は世界史上類を見ないスピードで高齢化社会が進行しています。

2036年には3人に1人が65歳以上、2065年には2.6人に1人、75歳以上は4人に1人の時代が確実にやってきます。

出典:内閣府 1 高齢か現状と将来像 高齢化の推移と将来推計

では次に、日本人の死因について見ていきましょう。

厚生労働省の主な死因の構成割合(令和3年(2021))では、

1位:悪性新生物
2位:心疾患
3位:老衰

となっています。

心疾患の内訳を見ていくと多くは虚血性心疾患で、次いで心不全、不整脈疾患の順です。

心不全や不整脈疾患はペースメーカーやICDの適応疾患であり、高齢になるほど罹患率は高くなるため超高齢社会になるにつれて患者数の増加が予想されます。

このような背景から今後ペースメーカーやICDを植え込む患者は増加するため、これからCDRの需要は高まっていくでしょう。

どんな人におすすめの資格か

では、この資格はどんな人が必要かについては以下の通りです。

  • 循環器病院・クリニック
  • ペースメーカーやICDに関わる医療従事者
  • 医療機器メーカー

医療従事者の中では、臨床工学技士や臨床検査技師の取得率が高いように感じます。

近年では医療機器メーカーも専門的な知識を持ち、企業の信用のため資格取得が求められています。今後転職した場合でも有利になることでしょう。

ではCDRについて理解したところで、次は資格取得方法について解説していきます。

CDR認定資格の概要 

CDRは日本不整脈心電学会が行っている認定資格です。

受験資格 

  • 本学会会員(A会員もしくはC会員)である 
  • 以下の職種に該当する 

    ・一般社団法人日本CDRセンターに加盟している会員企業の勤務者 

    ・一般社団法人日本医療機器販売業協会循環器研究会に加盟している企業の勤務者 

    ・医療機関に勤務する医師、臨床工学士、臨床検査技師、看護師、准看護師 

  • IBHRE検定試験に合格している 
  • 日本CDRセンターが主催する業界指定講習の受講が修了している(医療従事者は任意)
  • CDR認定申請前5年以内に行われている本学会が主催する心臓ペースメーカー技士養成のためのセミナーもしくは日本臨床工学技士会が主催する不整脈治療関連指定講習会の受講を修了している 

受験の流れ

出典:日本CDRセンター CDR認定更新

認定料

10,000円 

受験資格を満たしていれば随時申請可能です。 

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

日本不整脈心電学会の会員制度

日本不整脈心電学会の会員制度は以下のようになっています。 

対象年会費特典
A会員すべての認定資格
すべての国家医療資格者
12,000円本学会が主催する大会(※1)の抄録集や会誌を配布
B会員JHRS認定心電図専門士
植込み型心臓不整脈デバイス認定士
医師・研究者を除く国家医療資格者
6,000円年次学術大会プログラム抄録集のみ配布
C会員CDR認定8,000円本学会主催する大会(※1)の抄録集のみ配布

※1 本学会が主催する学会
日本不整脈心電学会学術大会、植込みデバイス関連冬季大会、心電関連春季大会

CDRの受験資格を満たすためには、日本不整脈心電学会のA会員もしくはC会員の入会が必要です 。

医師の場合は必ずA会員、それ以外の職種はA会員でもC会員でもどちらでも大丈夫です。

IBHRE検定試験とは 

IBHRE検定試験は,米国不整脈学会(HRS) の関連機関であるIBHRE(International Board of Heart Rhythm Examiners)が行っている検定試験です。

試験は年2回行われており、開催月は1月と7月です。

受験対象者

  • 日本CDRセンターもしくは日本医療機器販売業協会循環器研究会のペースメーカ/ICD関連企業に従事しており、試験日以前の1年内に日本CDRセンター主催の業界指定講習を修了している 
  • 医療機関職員で勤務する医師、看護師、准看護師、臨床検査技師、臨床工学技士

受験の流れ

ここでは2022年度の1月の場合を例にして紹介します。

  • 10月〜12月 受験予約 


    【優先予約期間】
    2022年10月17日(月)午前10時〜2022年10月21日(金)


    【通常予約期間】
    2022年10月22日(土)〜2022年12月23日(金)


    ※通常予約期間内であっても、空席がなくなった時点で受付終了
  • 翌年1月 試験 

     2023年1月21日(土)
  • 2月下旬 合格発表 

試験会場・時間

試験会場全国のプロメトリック公認テストセンター 
試験時間最大305分(5時間5分)
アンケート回答時間 <最大20分>+試験時間 <最大285分(4時間45分)> 
試験範囲Ⅰ電気生理学および電子工学の基礎
Ⅱ応用科学・技術
Ⅲ心電図
Ⅳ臨床評価
Ⅴ周術期診療臨床診療
Ⅵ安全性
Ⅶ患者とデバイスのフォローアップ管理
Ⅷ放射線学

上記の8分野において出題されます。詳細は日本CDCセンターのIBHRE検定試験試験範囲をご覧ください。

受験料

79,200円(税込) 

合格率

過去6回の合格率は以下の通りです。

合格率は最高57.5%、最低37.4%と各年によってバラバラです。

IBHRE試験における情報が少なく、試験範囲が広範囲であることが合格率が低い理由と思われます。

受験料も8万円とかなり高く、大抵の受験者は仕事をしながら勉強する人が多いため効率的な勉強が必要です。

更新方法 

では最後に更新についてお話します。

CDR認定とIBHRE試験には有効期限がありそれぞれ更新日が異なります。

更新
CDR認定5年
IBHRE試験10年

CDR認定にはIBHRE試験の合格が必須条件のため10年目の場合IBHRE検定の再受験が必要です。

10年ともなると情報が一変しているため資格を維持するためには継続して勉強していく必要があります。

5年目の更新の場合

10年目の更新の場合

以上、CDRの認定試験について解説してきました。

今後受験する方に向けて試験における情報提供をしていただける方は当ページのお問合せまたはTwitterのDMへ連絡していただけると大変助かりますm(_ _)m

おわり

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