心電図 資格

植え込み型心臓不整脈デバイス認定士とは?概要から受験の流れまで徹底解説!

質問者

植え込み型心臓不整脈デバイス認定士ってどんな資格なのかな?今後の需要はあるの?受験の内容も詳しく知りたいな。

こんな疑問に答えます。

こんにちは。カエルです。

近年、心臓デバイスは目覚ましいスピードで進化し続けていますね。

心臓デバイスとは、不整脈の治療の1つで、人体に機械を入れて心臓の動きをサポートしたり、検査をしたりする装置のことです。

心臓デバイスの種類は、

  • ペースメーカ(pace maker:PM)
  • 植込み型除細動器(implantable cardiac defibrillator:ICD)
  • 心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy:CRT)

があります。

植え込み型心臓不整脈デバイス認定士は、その心臓デバイスに関する資格で、現在注目されている資格の1つです。

この記事では、植え込み型心臓不整脈デバイス認定士についての概要や受験の流れについて解説しています。

知人が受験してどんな資格か知りたい人」「スキルアップしたい人におすすめな内容となっています。

それでは、どうぞ。

植え込み型心臓不整脈デバイス認定士制度とは 

植え込み型心臓不整脈デバイス認定士とは、植込み型心臓不整脈電気デバイスに関する専門知識を有する者であることを保証する資格です。

当制度は、一般社団法人 日本不整脈心電学会が主催している資格です。

2019年に第1回目が行われ、2022年10月1日時点で認定者数は760名です。

まだ資格制度としては日が浅く、3回しか開催されていないにもかかわらず、認定者が比較的多いのは人気な資格だということが伺えます。

具体的な植込み型心臓不整脈デバイス認定士の役割は、以下のとおりです。

  • 植込み型心臓不整脈電気デバイスに関わる医療スタッフ知識の標準化とレベルの向上 
  • 植込み型心臓不整脈電気デバイスに関わる医療スタッフ間の知識の共有と円滑化 
  • 植込み型心臓不整脈電気デバイス患者の生活の質の向上に貢献 
  • 植込み型心臓不整脈電気デバイスの合併症と医療過誤の回避 
  • 医療受給者に対する施設の選択基準の提供 

植込み型心臓不整脈電気デバイスの需要

植込み型心臓不整脈電気デバイス (Cardiac Implantable Electronic Device:CIED)の植え込み患者は年々増加しており、日本におけるペースメーカー植込み件数で言えば、65歳以上の100人に1人が使用しており、今後さらに増加すると言われています。

近年心臓デバイスの進化スピードは早く、各種CIEDがより多機能かつ高性能化し、患者の病状に合わせた設定ができるようになりました。

その反面、解析や特殊機能の設定はますます複雑化しており、CIEDの機能を十分に活用するには、CIEDに特化した専門知識を持ち、患者教育も含めて管理できるような存在が求められるようになっています。

心臓デバイス機器はまだまだ発展途上の分野であり、さらなる技術の進歩とともに当資格の需要は大きくなっていくことは間違いありません。

では、資格についてわかったところで受験の詳細について見ていきましょう。

受験資格 

CIED認定士 受験資格

  • 日本の国家医療資格を有する
  •  日本不整脈心電学会の会員である
  •  指定講習会を受けている

✔ 日本の国家医療資格

当資格は、医療国家資格者従であれば誰でも受験することができます。

通常よくある「〇年以上の実務経験」なども必要ありません。

受験者の多くは、日々心臓デバイスに携わる臨床工学士や臨床検査技師の職種です。

✔︎︎︎︎ 日本不整脈心電学会の会員制度

日本不整脈心電学会の会員制度は以下のようになっています。 

対象年会費特典
A会員すべての認定資格
すべての国家医療資格者
12,000円本学会が主催する大会(※1)の抄録集や会誌を配布
B会員JHRS認定心電図専門士
植込み型心臓不整脈デバイス認定士
医師・研究者を除く国家医療資格者
6,000円年次学術大会プログラム抄録集のみ配布
C会員CDR認定8,000円本学会主催する大会(※1)の抄録集のみ配布

※1 本学会が主催する学会
日本不整脈心電学会学術大会、植込みデバイス関連冬季大会、心電関連春季大会

受験資格を満たすためには、日本不整脈心電学会のA会員もしくはB会員の入会が必要です 。

医師の場合は必ずA会員、それ以外の職種はA会員でもB会員でもどちらでも大丈夫です。

✔︎︎︎︎ 指定講習会の受講

指定講習会は、試験日から過去3 年以内の間に受講する必要があり、申し込みは公式HPから行うことが出来ます。

2022年度の指定講習会開催は、以下のとおりです。

申込み期間2022年6月6日(月)10時~24日(金)17時
受講期間2022年7月15日(金)10時~8月19日(金)17時
受講料10,000円

なお、IBHRE・CDR・不整脈治療専門臨床工学技士資格保持者は資格証明書をもって指定講習会受講は免除となります。 

受験の流れ 

試験は毎年 1 回開催され、受験の流れは以下のとおりです。

  • 9月〜10月中旬 申請書提出

  • 11月上旬  受験票の送付 

  • 11月下旬 筆記試験

  • 1月下旬 合格発表


    認定料納入

  • 3月中 認定証および認定バッジ送付 

✔ 受験の申請方法

公式HPより申請書をダウンロードして指定の場所へ提出します。

出願期間2022年9月(月)〜10月14日(金)まで<当日消印有効>
定員520名

定員に達した場合は受付終了となるため受験することが決まっているのであれば早めに準備しておきましょう。

✔ 受験費用 

合計 35,000円

受験費用の内訳

指定講習会参加:10,000円

審査料:20,000 円

認定料:5,000 円

試験の内容

では、次に試験の詳細について解説していきます。

試験は、筆記試験のみ行われます。

2023年度の開催日はすでに決定しており、下記のとおりです。

開催日2023年11月5日(日)
会場TOC有明(東京都江東区有明3-5-7 )

試験の詳細はこちら。

試験方法マークシート方式
解答形式4択から1つまたは2つ選択
問題数60問 
試験時間120分 
出題範囲Ⅰ:デバイス概論
Ⅱ:病態疾患概論
Ⅲ:植込み手技関連
Ⅳ:患者教育、管理関連
Ⅴ:合併症関連
Ⅵ:デバイストラブルシューティング関連
Ⅶ:エビデンスとガイドライン関連
Ⅷ:リード抜去関連
Ⅸ:Newデバイス関連
Ⅹ:薬剤関連

詳細は日本不整脈心電学会 植込み型心臓不整脈デバイス認定士 試験要項の出題範囲をご覧ください。
当日必要なもの受験票、筆記用具、計時機能のいの時計 

合格率

合格率は70〜80%です。

合格率が高い理由は、受験者のレベルが高いためです。

資格制度が発足されて日が浅いこともあり、植込み型心臓不整脈電気デバイス (CIED)に日々従事している上級者や心電図資格マニアたちが受験していることが合格率を高めている要因として挙げられます。

試験対策

植込み型心臓不整脈デバイスはとにかく試験範囲が広く、暗記が多いので、早めのうちから勉強が必要です。

受験者

試験範囲広いし、何から勉強したらいいんだろう?参考書は何を買えば良いんだろう?

そんな方も多いと思います。

まずは、試験対策には実際受験した人の声を聞くのが1番です。

身近で受験した人がいるのであれば聞いてみたり、居ないのであれば以下の2つのサイトが参考になると思います。実際に受験した方のブログのため問題の傾向を知るのに役立ちます。

 

では、問題の傾向がわかったところで合格を独学で目指す場合、テキスト選びはとても重要です。

そこで試験対策におすすめの参考書を2冊を紹介します。

1つ目はこちら。

日本不整脈心電学会から出版されている当資格専門の公式テキストです。

試験の内容はもちろん網羅されており、出題のベースでもあるため、実際の受験をイメージしやすいでしょう。

こちらを購入しておけば間違いない1冊です。

2つ目はこちら。

この分野は専門用語が難しく、用語を理解することに一苦労するものが多いですが、本書は難易度が高いものの、解説がわかりやすく基本はもちろん、ペースメーカ・ICD治療の最前線な内容まで網羅されている良書です。

さらに日本不整脈心電学会員の先生方が多数在籍するEP大学が監修している参考書なので試験対策にもおすすめです。

「植込み型心臓デバイス認定士公式テキストが難しいな」と思った方はこちらの参考書から勉強するといいでしょう。

自分に合った参考書を見つけたらあとはそれを使い倒して勉強していきましょう

更新 

 植込み型心臓不整脈デバイス認定士は、5 年毎に更新が必要です。

更新料は5,000円です。

更新条件は以下のとおりです。

更新の条件

  • 継続して日本不整脈心電学会の会員である
  • 認定期間中に日本不整脈心電学会年次学術大会または植込みデバイス関連大会に少なくとも1回は参加している (WEB参加でも可)
  • 研修単位50単位を取得している

✔ 研修単位 取得方法

指定の研修については公式HPをご覧ください。

目安としては、日本不整脈心電学会学術大会、植込みデバイス関連冬季大会、心電関連春季大会が各10単位なので、毎年1回どれかに参加することで50単位を得ることができます。

以上、植え込み型心臓不整脈デバイス認定士について解説してきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

おわり

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