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初心者向け超音波検査の実技練習【習得までの7つのステップ】

2022年3月11日

質問者

初心者で実技練習って何から始めたらいいですか?具体的な進め方を教えてください。

こんな疑問に答えます。

こんにちは、カエルです。

施設で細かなカリキュラムがあればいいのですが、ない場合はどうやって進めるべきか困りますよね。

この記事では、今までの私の経験と後輩指導から導き出した「効率的な超音波検査の実技習得法」を紹介します。

✓ 記事の信頼性・著者の経歴

これから超音波検査を始める方の参考になれば幸いで

効率的な超音波検査の実技習得 7ステップ

まずは習得までの全体像をつかみましょう。

効率的に習得するには、次の7ステップを実践するのがおすすめです。

STEP.1 機器に慣れる
STEP.2 基本断面の画像を描出する
STEP.3 適切な画面設定ができる
STEP.4 全体をスキャンできるようになる
STEP.5 描出が難しい人で練習する
STEP.6 スキャン時間短縮
STEP.7 患者を検査する

それぞれのステップの詳しい内容は、後ほど1つずつ解説していきます。

はじめに

超音波検査はすぐ習得できるものではないので練習無くしては上達はあり得ません。
領域にもよりますが、どんなに早くても3〜6ヶ月くらいはかかるでしょう。

量を熟せば上達は早いかもしれませんが、超音波の練習は被験者が必要なので毎日長時間練習できるわけではありません。練習時間は業務時間外になるのでせいぜい1〜2時間くらいでしょうか。

だから効率的に習得するには練習の「質」を重要視しましょう。

練習に関してダルビッシュ選手の名言があります。

「練習は嘘つかないって言葉があるけど…頭使って練習しないと普通に嘘つくよ」

どれだけの量をこなしても、質の高い1時間の練習と何も考えないで行った10時間の練習では大きな差がうまれるでしょう。
これが頭を使って考えてやらない練習は嘘をつくという事です。

「言われたからやる」、「ただこなしている」といったような練習では成長などありません。ただ単に、練習をしてやった気になっているだけではただ時間だけが過ぎていく一方です。

どんな意図をもってやっているのか、意識すべき点はどこか、何でも鵜呑みにしないで自分で考えながら練習することが大切です。

是非この言葉を心に留めて各STEPを進めて欲しいなと思います。

STEP.1 機器に慣れる

人で練習する前にまずは機器の操作に慣れることから始めましょう。

事前に機器の操作に慣れることでSTEP2の時に実技に集中して練習できます。

基本的な画面設定

具体的にはこの内容を出来るようになればベスト

基本的な画面設定

ゲイン
STC
デプス画面UP
計測方法
ドプラ(ROIの設定・流速の上下)
パルス(アングル、ベースライン、スケール、PI/RIの測定
プローブの選択の仕方
患者名の設定方法
画像の送信方法
ボディーマークの表示方法

もし使い方が分からなければ1度誰かにお願いして教えてもらいましょう。

その後は自分1人でできるはず。毎日10分でもいいので触るところから始めましょう。

上記の項目であればだいたい1週間くらいあれば覚えれるでしょう。

複数台機器がある場合

超音波機器が1台だけだったら問題ないですが、複数台あってメーカーが違うと画面設定の位置が異なるので要注意です。

どの機器で練習しても同じように画面設定が出来るようにしておきましょう。

新しい知識を学んだ

見学で新しく学んだ画面の設定はその日のうちにすぐ実践してみること。

「見ただけで」「後で」ではすぐ忘れちゃいます。

覚えているうちにしっかり復習して今後に役立てましょう。

ここで完璧にしなくてok

ここで画面設定を完璧にやったところで実際人を撮るようになると思うように手が動きません。

何となく位置が分かる程度でSTEP2へ進みましょう。

STEP.2 基本断面の画像を描出する

ここからは被験者を入れての練習です。

いきなり【全体をスキャンできるようになる】だとハードルが高いので1つずつステップアップしていきましょう。

最初は見やすい人で練習します。

基本断面は施設で決まっているものまたはだいたい各領域の参考書に載っているのでそれに沿って描出すればok!

ワンポイントアドバイス

参考書には各断面像の説明(解剖)も載っているのでこの時に一緒に解剖を考えながら練習するとベストです。

例えば腹部だと

腹部超音波検診判定マニュアルを指標にするとかですかね

引用元:日本消化器がん検診学会 腹部超音波検診判定マニュアル改訂版(2021年)

初心者の場合最初は描出だけでもとても大変です。
肩にも腕にも力が入って翌日筋肉痛になることもあるでしょう。

だいたい描出出来るようになったらSTEP3へ。

STEP.3 適切な画面設定ができる

これはSTEP2と同時でもokです。

STEP1で画面設定を勉強しましたよね。この操作を断面像を描出しながら適切な画像に瞬時に調節出来るようにすることがSTEP3です。

全体に共通するものとして、
初心者に多いのはゲインが低すぎたり高すぎたりしがちです。

これは目が慣れるしかないので何回も注意されながら適正な輝度で調節出来るように覚えていってください。

STEP.4 全体をスキャンできるようになる

ここまで来たら次は全体をスキャン出来るようにしていきましょう。

練習段階でここが1番重要であり、1番時間がかかるところでもあります。

各領域によって描出部位は異なりますが、腹部や体表臓器の場合では見えないところから見えないところまでしっかり描出することがポイントです。

また死角部位など意識しながらスキャンしていきましょう。

STEP.5 描出が難しい人で練習する

STEP4までは比較的見やすい人を対象に練習してきましたが、次はちょっと描出が難しい体型の人にチャレンジしてみましょう。

実際患者を検査すると体型は様々で患者を選べません。

体型によって見え方は全く変わるので事前にしっかり目を慣らして描出できるように練習しましょう。

STEP.6 スキャン時間短縮

STEP.5まで出来たら次はある程度の時間で検査できるようにしましょう。

一通りスキャンするのにどのくらい時間がかかってますか?

検査時間が長くなれば、患者さんに負担がかかります。呼吸走査があると尚のこと長くは続けられないでしょう。

ちなみにスキャンを雑にして時間短縮したら本末転倒です。

STEP5.までで積み重ねた技術を基に丁寧にかつある程度の時間で検査できるように練習しましょう。

STEP.7 患者を検査する

いよいよ患者さんを検査していきましょう。

患者を取り始めたらどんどん課題は増えていくと思ってください。
いろいろな疾患だったり描出しずらい患者に出会いこれから苦労します。
自分がいかに描出出来ないか、また所見が撮れないか身に染みてわかる期間だと思います。

ですがそれとともに最も成長していくステップです。

最初のうちは指導者が後ろについて検査に入ると思いますが、代わって見た時に自分が出せなかった部位をいとも簡単に描出します。

そこで描出できなかった自分に落ち込んでいてはダメです。

自分と描出方法がどう違うのかをしっかり見て学びましょう。また、検査後でも指導者に描出時のポイントを聞き、また練習の繰り返しです。

この努力の積み重ねによって自ずと上手くなっているはずです。

さいごに:練習時のポイント

なんとなく一人で練習していてもしっかり描出できているかどうかわからないですよね。

そのために被験者+指導者をつけて練習することをお勧めします。

練習するのに2人必要となると毎日は厳しいですが定期的にチェックしてもらうことで適宜問題箇所を修正できますし、もし描出できなければ指導者と代わってどんなふうにプローブを当ててるか直接観察することもできるので、より効率的に学ぶことができます。

習得するのに道のりは長いですが頑張ってください。

今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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