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2級臨床検査士とは?難易度から勉強方法までまとめました

質問者

そろそろ臨床検査士受験しようかな。2級のレベルってどのくらいだろう。試験の内容も詳しく知りたいな。

こんな疑問に答えます。 

こんにちは。臨床検査技師のカエルです。 

認定検査士とは、検査に関する専門知識を持ち、医師の指示のもとに検査を正しく行うことが出来ることを証明する認定資格です。 

臨床検査士の分類は3つ。 

  • 2級臨床検査士 
  • 1級臨床検査士 
  • 緊急臨床検査士 

この記事では、2級臨床検査士の概要から受験の内容まで詳しく解説しています。 

臨床検査技師になって2~3年目の人」「更新の要らない資格が欲しい人」におすすめな資格となっています。 

それでは、どうぞ。 

緊急臨床検査士についてはこちらの記事をご覧下さい。 

2級臨床検査士とは 

2級臨床検査士とは、日本臨床検査医学会日本臨床検査同学院が主催で、1854年(昭和28年)〜現在まで長い歴史のある資格です。

受験科目は、 以下の8つの分野があります。

  • 微生物学(寄生虫学を含む)  
  • 病理学  
  • 臨床化学  
  • 血液学  
  • 免疫血清学  
  • 循環生理学  
  • 神経生理学  
  • 呼吸生理学 

2022年度までの合格者は40,056名。 

受験は1年に1回、1科目のみ。 2級臨床検査士と緊急臨床検査士との併願は可能です。 

試験結果は「優・良・可・不可」の4段階評価で、「不可」が1つでもあれば不合格となります。 

各受験科目別の合格率は以下の通りです。 

各受験科目受験者合格者合格率(%)
微生物 10,2145,98358.6
病理学 10,4356,70064.2
臨床化学 10,1855,66255.6
血液学 16,3819,29056.7
免疫血清学 6,9223,859 55.7
循環生理学 7,9485,44468.5
神経生理学 3,0661,42146.3 
呼吸生理学 2,3981,69770.8
合計67,54940,05659.3
出典:日本臨床検査同学院 2級臨床検査士 合格率

2級臨床検査士は、更新が必要ありません。
更新の有無には、メリット・デメリットがありますが、1回取得してしまえば一生の資格を手にすることが出来きるので持っておくと便利です。 

1級臨床検査士の場合は、5年毎の更新が必要であり、研修単位50単位以上を取得する必要があります。 

1級と2級の違いとは

では次に1級と2級の違いについてお話します。 

それぞれの受験者レベルや試験内容の違いや合格率について見ていきましょう。 

2級臨床検査士 

国家試験に合格して2~3年目に受験する資格。難易度としては、初級から中級レベル。 

試験の内容は、検査の基礎や精度管理など日常の検査に必要な基本知識と技術が問われます。 

 【2級検査士の受験資格

  • 臨床検査技師の資格を有すること
  • 所属長の証明書が提出できること

合格率は前章で示したとおり50~70%前後 です。 

1級臨床検査士 

指導的立場の中堅技師が受験する資格で、もちろん難易度は上級レベル。 主に、技師長クラスや博士号保有クラスなどが取得しています。

その分野におけるスペシャリストが持つ資格として広く知られています。 

試験内容は、2級臨床検査士の内容に加え、日々進歩する新しい検査法や日常業務の管理・指導などの責任能力といった幅広い知識・技術が問われます。 

1級検査士の受験資格

  • 二級臨床検査士に合格していること 
  • 5年以上の実務歴、さらに二級臨床検査士に合格後3年の実務歴があること 
  • 所属長が証明が得られること

2022年現時点の認定者は258人。 

合格率は10%強です。

2022年度の場合は、全科目を合わせた受験者数は24名のうち、合格者はたったの5名のみ。

1級臨床検査士は難易度が高く、2級と比べると保有者の少ない資格です。 

受験の流れ 

  • 1月 1次受付 

    2023年1月16日(月)~1月31日(火) 

  • 2月 申請書類を提出 

    2023年2月15日(水)~2月25日(土)<消印有効> 

  • 5-6月 受験票送付 

  • 7-8月 試験 

  • 9月  合格後発表、認定料の納入 

  • 10月 認定証発送 

受験する人数は年々増加しています。受験者が多い受験科目では、抽選を行い、抽選に通った者のみ受験可能となります。 

申請時の注意事項

申請書類に不備があると申込みがキャンセルとなってしまう場合もあるため、しっかり確認し、余裕をもって準備しておきましょう!

 

✔  試験会場 

科目によって試験日程や会場が異なるため、受験したい科目の試験会場を確認しておきましょう。 

詳しくは日本臨床検査同学院HPを必ずご覧下さい。 

↓2023年度の試験日と会場はこちら↓

各受験科目試験日東日本会場西日本会場
微生物 7/17(月) 東洋公衆衛生学院
杏林大学井の頭 
関西医療大学
熊本保険科学大学 
病理学 9/16-18(土日月) 都内近郊 京都保険衛生専門学校 
臨床化学 9/3(日) 文京学院大学本郷 倉敷芸術科学大学 
血液学 9/12-13(土日) 都内近郊 森ノ宮医療大学 
免疫血清学 6/25(日) 東京工科大学浦田  
循環生理学 7/29-30(土日) 日本光電工業(株)本社 新梅田研修センター 
神経生理学 7/15-19(土日) 杏林大学井の頭  
呼吸生理学 7/23(日) 東京医学技術専門学校  

✔ 受験費用 

合計:30,800円 

受験費用の内訳

受験料:27,500円 

認定料:3,300円

試験内容 と対策

さいごに、試験の内容と試験対策です。

試験内容

試験は、筆記試験・実技試験の2つ。 

2023年による試験範囲は以下のリンクからご確認ください。 

試験方法はこちら。

⑴ 筆記試験は原則として、臨床検査技師国家試験と同様の多肢選択方式(マークシート)、あるいは
解答選択方式とする。

(2)実技試験は、実際に検査を行い検査技術、検査前工程[(適切な検体採取方法、検体(被検者)の状 態や安全確認、臨床情報の入手、被検者の氏名等の確認(患者認証)]、結果の解釈等、検査全般に わたる技能や知識を評価する。細胞・組織・微生物の形態、生理検査の波形や画像などの判定・ 判読、結果解釈の能力を問う問題も含まれる。口頭試問、クイズ形式で出題される問題もある。 

参照:2023 年(第 109 回)二級臨床検査士資格認定試験 受験申請の手引き 

試験のポイント

筆記試験は、全40問出題され、全科目に共通する特徴は画像から疾患を問う問題が多くなっています。

実技試験は、コロナ禍から動画視聴と変わっている科目があります。出題方法は、動画から誤っているところを考察するという方式となっているようです。

試験対策

次は、試験内容を踏まえた上で、試験対策についてお話します。

試験対策は、日本臨床同学院が出版している問題集や過去問およびテキストで勉強し、合格している人が大半です。 

書店では販売されていないので日本臨床検査同学院から直接申込み⇢購入となりますのでご注意ください。 

試験情報がなかなか出回っておらず、コロナ禍から試験内容も大きく変わっているため、最近受験した人に聞き、情報を集めると良いでしょう。 

受験者

今の職場に受験した人がいないし、どうしたらいいの?

受験者が周りにいない場合は、日本臨床検査同学院が開催している講習会があります。Web配信のため、遠方の方でも視聴することができます。

その他にも、2級臨床検査士を受験した方のサイトを下記にまとめました。 全科目はありませんが参考になると思います。

以上、2級臨床検査士について解説してきました。 

これから受験される方の参考になれば幸いです。 

本記事をお読みいただいてる皆様へのお願い

今後受験する方に向けて情報提供していただける方を募集しています。当HPのお問い合わせまたはTwitter(@Kaeru372022)のDMへご連絡をお待ちしています。 

最後までお読み頂きありがとうございました。 

おわり 

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