資格 超音波

超音波指導検査士とは?|受験資格の7つの条件|あなたはいくつ当てはまる?

2023年2月24日

質問者

超音波指導検査士ってどんな資格?超音波検査士とどう違うのかな?

こんな疑問に答えます。

こんにちは。超音波検査士を取得しているカエルです。

この記事では、超音波指導検査士の概要から受験内容について解説しています。

超音波指導検査士は、公益社団法人日本超音波医学会が主催する資格で、超音波検査士のさらに上位資格です。

上司に取るように言われた人』『とりあえず受験内容を確認したい人』に簡単に情報収集できるようにまとめました。

超音波検査士の概要についてはこちらの記事をご覧ください。

それでは、どうぞ。

超音波指導検査士とは

超音波指導検査士とは、超音波の基本特性や超音波診断装置の原理、各領域における臨床など超音波検査に関する専門知識をもち、かつ指導・教育することができることを証明する認定資格制度です。

超音波検査士の試験は、症例提出と筆記試験のみで、実際の手技は含まれていません。

超音波検査の最大のデメリットは、検査者の力量に依存するところで、いくら多くの専門知識を持っていても、描出できなければ全く意味のない検査となってしまいます。

なので、当資格は超音波検査士の試験内容に実技試験を加え、より専門性を高めた資格となっています。 

日本超音波医学会HPでは、2022年7月現在、腹部領域の認定者は21名とかなり少ない人数。

Twitterの情報では、2022年の場合受験者8名中3人。受験者数が少なすぎて参考になりませんが、単純に計算して合格率は38%ですね。

超音波指導検査士は超音波検査士受験時の指導者としても関わり、専門医不足を補うためにも、今後注目されていくことが予想されます。

受験領域は、腹部領域・血管領域・体表臓器領域の3つ

2012年に腹部領域が誕生し、2022年に血管領域、2023年に体表臓器が追加されました。

各領域別の具体的な範囲は以下のとおりです。

腹部領域

肝臓、胆道、膵臓、消化管、脾臓、腹膜、腹腔、リンパ節

副腎、後腹膜、腎臓、腎盂、尿管、膀胱、前立腺、精嚢、陰嚢内容

子宮、卵巣、妊娠期

血管領域

頚部動脈、大動静脈、腎動静脈、末梢動静脈、シャント、リンパ管

体表臓器領域

乳房、甲状腺、唾液腺、リンパ節、皮膚、皮下組織、神経、筋、腱

詳しくは、日本超音波医学会の超音波指導検査士 各領域のガイドラインをご覧ください。

受験資格

受験資格

  • 臨床検査技師、診療放射線技師、看護師、准看護師の何れかの免許を有すること
  • 13年以上の腹部超音波検査の実務経験を有すること
  • 超音波検査士を有すること(※1)
  • 日本超音波医学会の定める代議員または超音波指導医1名の推薦があること
  • 日本超音波医学会の会員であること
  • 認定超音波検査士に認定されてから2回以上更新していること
  • 学会発表を1回実施していること(※2)

※1 申請する超音波検査士は、消化器領域、血管領域、体表臓器領域のいずれかに限ります。

※2  認定超音波検査士を取得以降に学会発表を1回、筆頭演者で行うこととされています。

指定学会は、日本超音波医学会学術集会(総会)または本会地方会学術集会で、演題は申請す領域(腹部領域(消化器、泌尿器科、産婦人科領域)・血管領域)が対象となります。

受験の流れ

では、次に受験の流れや試験の内容、受験費用についてお話します。

下記の流れは2023年度の受験情報になります。 

  • 4月〜6月    1次試験


    【書類受付期間】 
      
    2023年4月1日(土)~6月24日(土)<当日消印有効>

  • 9月 2次試験

    【試験日】

    2023年9月2日(土)3日(日)

  • 12月 合格発表

試験内容

試験は、一次試験と二次試験の2段階制。

内容を詳しく見てみましょう。

✔ 一次試験

日本超音波医学会HPに掲載されている書式に従って、受験申請書および超音波検査の実績として10症例を添付し指定された住所へ郵送します。

レポート提出内容は以下のとおりです。

レポートの詳細

  • 受験者本人が検査した症例
  • 疾患コード(※3)に従って10症例提出 (超音波検査所見、主訴・臨床経過などの概要、写真添付、スケッチ)
  • 添付する画像は1症例につき消化器領域の場合5枚以内、血管領域の場合6枚以内(白黒、カラー問わない)

※3 疾患コード

【腹部の場合】

疾患コード疾患内容内訳症例数
A-1消化器領域(肝臓)1症例以上
A-2消化器領域(胆道)1症例以上
A-3消化器領域(膵臓)1症例以上
A-4消化器領域(消化管)1症例以上
A-5泌尿器科領域1症例以上
A-6産婦人科領域(胎児症例は含まない)1症例以上
A-7その他の腹部領域(脾臓、腹膜、腹腔、後腹膜、腹腔内リンパ節など)1症例以上
A-8カラードプラ検査(または造影超音波検査)1症例以上
出典:日本超音波医学会 第11回超音波指導検査士認定試験について

【血管領域の場合】

疾患コード疾患内容内訳症例数
G-1頸動脈1症例以上
G-2大動脈および分岐動脈(腎動脈は除く)1症例以上
G-3末梢動脈1症例以上
G-4末梢静脈1症例以上
G-5腎動脈1症例以上
G-6その他の血管領域(経頭蓋、鎖骨下動脈、シャント、動静脈瘻など)1症例以上
G-7外科治療例(血管内治療を含む)1症例以上
出典:日本超音波医学会 第11回超音波指導検査士認定試験について

✔ 二次試験

筆記試験実技試験の2つあります。

【 筆記試験 】

筆記試験は、さらに静止画像と動画像問題の2つ。

各種疾患について最低限求められる医学的知識の確認と、病態を正確に把握し所見を理解しているかなどが問われます。

解答形式マークシート方式
問題数・試験時間【静止画像の試験】

・計30問出題
・試験時間60分

【動画像の試験】

・計10問出題
・試験時間50分

【 実技試験 】

健常者をモデルに各領域の実技試験を行います。

試験は、課せられた課題について実際の装置と被験者で走査を行い、必要に応じて説明を行い質問にも答える内容となっています。

※腹部領域の場合、実技試験は消化器、泌尿器領域のみで、産婦人科領域は対象外です。

受験費用

合計 30,000円

費用の内訳

審査料:20,000円

認定料:10,000円  

以上、超音波指導検査士について解説しました。

まだまだ受験者数も少なく狭き道ですが、これから需要が高まっていく資格の1つです。

今後受験する方の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

おわり

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