表示方式
Aモード (amplitude:振幅) | 時間と反射強度を表示 |
Bモード (Brightness:輝度) | 輝度変調 |
Mモード (Motion:動き) | 動きを表示 |
走査方式
- リニア走査
- セクタ走査
- コンベックス(オフセットセクタ)走査
- アーク走査
- ラジアル走査
- サーキュラ走査
構造
- 音響レンズ、音響整合層、振動子、音響吸収材で構成されている
- 音響インピーダンスの大きさ
$振動子>音響整合層>音響レンズ>生体$ - プローブの長さはエレメントピッチと素子数で決まる
- 口径(D)
$D=m×d$
m:同時駆動阻止数
d:エレメントピッチ - 視野幅(L)
$L=(N-1)×d$ - 走査間隔(p)
$p=d$
- 口径(D)
振動子
- 圧電効果(piezo効果)により電気信号と機械振動を相互に交換する
- 圧電材料
PZT磁器(セラミック)
PVDF膜(高分子材料)
qファクタ PZT>PVDF
- 送受信可能な超音波の周波数は振動子の厚みにより決定される
$周波数(MHz)=\frac{伝播速度}{2×厚み}$
音響整合層
- プローブ内での反射を少なくし、効率よく送受信させる
- 波長の1/4の厚さで作られている
音響レンズ
- 振動子の保護
- スライス幅方向の分解能を向上させる
- 生体とプローブとの電気的絶縁を強化する
- 音速が生体より遅い凸型のシリコンゴム(c=1000m/s)を使用し、音速の差によりビームを収束させる(凹面波)
- 材質による違い
凹レンズ
生体の音速より速い材質
凸レンズ
生体の音速より遅い材質 - 焦点距離は音響レンズの材質により機械的に決まる
音響吸収剤(バッキング剤)
- 残響を抑える
- 波数を減らしパルス持続時間を短くする
距離分解能 | 上がる |
Q値 | 下がる |
感度 | 下がる |
機械式走査
単一素子振動子(シングルエレメント)
- ひとつの振動子をプローブの先端に装着
- フォーカス深度は固定
- フレームレートが低い
アニュラアレイスキャナ
- 振動子を同心円状に配列
- 方位方向・スライス方向に電子フォーカス可能
電子走査方式
スイッチドアレイ方式
- リニア・コンベックス
- 振動子をグループごとに連続的に振動させて超音波ビームを形成する
- グループ毎の駆動素子
$N=(n-m)+1$
n:全素子数
m:同時駆動阻止数 - 左右端の感度が悪い
フェーズドアレイ方式
- セクタ
- 各振動子に時間差を持たせて駆動させ、斜め方向に波面を合成させることにより角度を持ったビームが放射される
- 配列されている素子すべてを常に用いて送受信を行う
- 画面中央部のノイズが多い
- 右側にビームを振るには左側の素子を早く振動させる
- 遅延時間(τ)
$τ=\frac{(i-1)×d×sinθ}{c}$
$=\frac{L×sinθ}{c}$
θ:偏向角度 i:n番目の振動子
d:エレメントピッチ c:音速L:開口幅 - 遅延時間の差を大きく取れば、ビームの角度が大きくなる
電子フォーカス
送信多段フォーカス
- 段数を増やすとフレーム数は減る
- フォーカスを3点にかけるとフレーム数は1/3になる
- 同時駆動素子の中心ほど遅延時間は長くなる
- 浅い位置の焦点は遅延差を大きく、深い位置の焦点は遅延差を小さくする
受信ダイナミックフォーカス
- 受信ダイナミックフォーカスをかけてもフレーム数は変化しない
- 遅延回路を用いて受信フォーカスを行う
可変口径法
- 深さに応じて振動子の口径を変える方式
- 浅い領域は開口幅を狭く、深い領域は開口幅を広くして受信する
- 方位分解能を向上させる
画像の要素
- 音速の往復時間
パルス波が発射されて反射波が戻ってくる時間
$t=\frac{2D}{c}$
t:往復時間 c:音速 D:距離
- 音速が1㎝往復する時間(生体音速:1530m/s)
$t=\frac{2×10mm}{1.53×10^6mm/s}$
$≒13.07×10^{-6}s=約13.1μs$
- パルス繰り返し周期と視野深度
$視野深度=\frac{パルス繰り返し周期(μs)-送受信切り替え時間(μs)}{13(μs)}$
- 表示距離と実測距離
$\frac{表示距離}{装置基準音速}=\frac{実測距離}{ある媒質の音速}$
- 1枚(1フレーム)の超音波像を得る時間(T)
$T=N×\frac{2D}{c}$
D:視野深度 c:音速 - フレーム数(R)
$R=\frac{1}{T}$ - 視野深度と走査線数とフレーム数の関係
$c=2D×N×R$
$c=2D×PRF$
$PRF=N×R$
c:音速 D:視野深度
N:走査線数 R:フレーム数
PRF:パルス繰り返し周波数 - フレーム数を増やす要素
PRF | 上げる |
D | 短く |
N | 減らす |
走査線密度 | 下げる |
送信多段フォーカスの段数 | 減らす |