心電図の資格試験を受けようと思うけど…JHRS認定心電図専門士と心電図検定、何が違うの?自分はどちらを受けたら良いんだろう?
こんな疑問に答えます。
こんにちは。カエルです。
心電図の資格を取ろうと考えた時、どちらの資格試験を受けるべきか悩んでしまいますよね。
心電図検定、JHRS認定心電図専門士どちらも日本不整脈心電学会が主催で行っている資格です。
この記事では、心電図検定とJHRS認定心電図専門士との違いやそれぞれのメリット、どちらを受験したらいいのかを解説しています。
結論をお伝えしてしまうと、 心電図検定の受験がおすすめです。
とくに「心電図を勉強して日が浅い」や「徐々にレベルを上げたい」なら心電図検定を強くおすすめします。
ぜひ、この記事を読んで心電図検定かJHRS認定心電図専門士どちらが良いか選んでください!
記事の内容は、日本不整脈心電学会のHPを参照しています。詳しく知りたい方はそちらをご確認ください。
では、どうぞ。
心電図検定とJHRS認定心電図専門士の違い
心電図検定とJHRS心電図専門士は大きくわけて3つの違いがあります。
- 受験資格
- 難易度
- 更新
では、それぞれ見ていきましょう。
受験資格の違い
まず、受験資格に該当するかが大きく異なります。
心電図検定の受検資格は、心電図に興味を持つ人であれば誰でも受験することができます。
つまり、実務経験や特別な資格の有無は問われません。
一方、JHRS認定心電図専門士は、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 医師、臨床検査技師、看護師のいずれかの国家資格を有している
- 心電図業務の実務経験3年以上
- 日本不整脈心電学会の会員であること
心電図検定と比べると受験する職種がかなり限定的ですね。
「日本不整脈心電学会の会員って何?」って方は当学会の会員制度をまとめると以下の通りです。
対象 | 年会費 | 特典 | |
---|---|---|---|
A会員 | すべての認定資格 すべての国家医療資格者 | 12,000円 | 本学会が主催する大会(※1)の抄録集や会誌を配布 |
B会員 | JHRS認定心電図専門士 植込み型心臓不整脈デバイス認定士 医師・研究者を除く国家医療資格者 | 6,000円 | 年次学術大会プログラム抄録集のみ配布 |
C会員 | CDR認定 | 8,000円 | 本学会主催する大会(※1)の抄録集のみ配布 |
※1 本学会が主催する学会
日本不整脈心電学会学術大会、植込みデバイス関連冬季大会、心電関連春季大会
医師であればA会員、それ以外の職種であればA会員でもB会員どちらでもOKです。
心電図検定とJHRS認定心電図専門士は会員入会における費用面の違いもありますが、以下が1つの基準となると思います。
学生
3職種以外の医療従事者
実務経験が3年に満たない場合
▶心電図検定
実務経験が3年以上であれば
▶JHRS認定心電図専門士
難易度の違い
心電図検定・JHRS認定心電図専門士はどちらも筆記のみの試験です。
試験はマークシート形式で全50問。
心電図検定とJHRS認定心電図専門士で大きく異なるのは出題範囲です。
心電図検定は1〜4級の階級があり、心電図の判読のみとなります。
各レベルは以下の通りです。
階級 | レベル |
---|---|
4級 | 心電図の基礎的な判読力を有するもの |
3級 | 心電図の基礎〜中等度の判読力を有するもの |
2級 | 心電図の中等度~高度な判読力を有するもの |
1級 | 心電図の高度な判読力を有するもの |
心電図検定は学生や心電図のニガテを克服したい人にとって受験しやすくなっており、段階的にレベルを上げて知識をブラッシュアップできるという特徴があります。
一方、JHRS認定心電図は心電図の判読に加えて
- 心電図記録装置の取扱い
- 心電現象の基礎知識
- 各種心電図を用いた臨床検査の実施
- 認定専門士としてのマナー・品格
と心電図全般の理解力が問われます。
JHRS認定心電図専門士における心電図の判読レベルを心電図検定に置き換えると2級以上の判読力が必要。さらに出題範囲が広いので、心電図検定に比べて難易度は高くなります。
更新の違い
心電図検定が更新不要の資格なのに対して、JHRS認定心電図専門士は有効期限が設定されています。
有効期限が切れると資格の効力が失われるため、定期的に更新が必要です。
資格を更新するには、5年間ごとで日本不整脈心電学会の継続入会と研修単位の取得をしなければいけません。
「じゃあ、更新に必要な費用がどのくらいかかるの?」っって気になりますよね。
更新する場合には2つの費用 がかかります。
- 学会の年会費
- 研修単位取得費用
日本不整脈心電学会の年会費は6,000円〜12,000/年で5年間では30,000円〜50,000円かかります。
研修単位は50単位必要であり、毎年開催されている日本不整脈心電学会学術大会・植込みデバイス関連冬季大会・心電関連春季大会の参加がそれぞれ10単位なのでおおよそ年1回参加すれば達成することができます。
その1つである心電学関連春季大会の参加費が4,000円〜8,000円であり、毎年参加した場合20,000〜40,000円かかります。
職種や参加する講習会などで費用は異なりますが最低限必要な費用は医師であれば最低でも10万、看護師・臨床検査技師では5万円のかかります。
心電図検定とJHRS認定心電図専門士のメリット
心電図検定のメリットは4つあります。
心電図検定メリット
- 誰でも受験できる
- 一生の資格を得ることができる
- 就活や転職時に有利
- 業務でもっとも必要な心電図の判読力に特化している
心電図検定は受験者のレベルに応じてどの級からでもスタートすることができるため習熟度のチェックや学習のモチベーションの維持にも役立ちます。
JHRS認定心電図専門士とは違い学生でも受験できるので就活時にライバルと差をつけることができるのも魅力の1つですね。
JHRS認定心電図専門士は資格更新が必要ですので、「面倒だな~」「取る意味はあるの?」とイメージしている方は少なくないはず。
一度資格を取得すれば生涯有効な心電図検定よりも手間がかかる代わりに、JHRS認定心電図専門士には3つのメリットがあります。
心電図専門士のメリット
- JHRS認定心電図専門士の信用力に加えて、心電図全般の知識を体型的に習得できる
- 年間ごとに資格更新制度があるため、専門分野に関する知識のブラッシュアップができる
- 一時的な評価より新しい情報を常に更新しているJHRS認定心電図専門士の方が転職時に面接官にアピールすることができる
心電図検定で満足するのではなく、更なる高みを目指したい人にはJHRS認定心電図専門士はおすすめです。
5年間の期限が設定されていますが、資格更新が必要なのは認定者の知識を衰えさせないのが目的になっています。
常に新しい知識を継続して学ぶ形になりますので、長い目で見れば、一時的な知識の評価である心電図検定よりもスキルが高くなるのは間違いありません。
まとめ
この記事では、心電図検定とJHRS認定心電図専門士について解説してきました。
心電図検定は一度取得すれば生涯有効ですが、JHRS認定心電図専門士は原則的に5年間ごとの更新手続きが必須です。
私のおすすめとしては、
- 学生〜実務経験3年に満たない人は、心電図検定1択
- 本格的に心電図のスキルアップを目指すのであれば、まず心電図検定を受験して心電図の判読力を段階的に上げてからのJHRS認定心電図専門士を受験する
という流れです。
私の考えでは職場で強要されない限りJHRS心電図専門士は最初に受験する資格ではないと考えます。
心電図検定から徐々に知識をつけていき階級がアップするにつれておのずと心電図を極めたい人も増え、そんな人がJHRS認定心電図専門士に行き着くだろうと思います。
もし心電図に興味があるのであれば、簡単に受験でき更新不要の心電図検定から受験するのはいかがでしょうか?
興味がある方は是非下記の記事をクリックして見てください。
おわり