カエルさんは真似るって言うけど、どこを見ていいのか分かりません。具体的に教えてください。
こんな疑問に答えます。
こんにちは。カエルです。
いきなり「真似る」はハードルが高いですよね。
真似るためには他の検査者の検査を観察する必要があります。
そのためには見学はとても重要なんです!
この記事では見学するに当たって観察するポイント【6選】を紹介します。
ちなみにある程度上達すると見学には入れなくなるので、初心者である今しか出来ません。しっかり観察して技術を盗みましょう。
✓ 記事の内容
- 画像の設定を学ぶ
- プローブの持ち方を学ぶ
- 描出しづらいときの対処法を学ぶ
- 患者への声かけを学ぶ
- 見学に入るときは簡単な症例から
- 見逃しがちなポイント
それでははじめます。
① 画面の設定を学ぶ
超音波検査装置は一昔前と異なり、年々機能および画像解像度が飛躍的に向上したため初期設定のままで検査を行っても画像は比較的きれいです。
しかし装置の持つパフォーマンスを最大限に発揮する為にも調節は必ず身につけましょう。
画面の設定は画像から数値を見て判断できるものもありますが、どのタイミングで設定を変えているのかなんて分からないですよね。
検査中は、画面の設定を適宜変えながら行っています。
見学する時は、どんな時に設定を変えているのかをしっかり観察してみましょう。
✓ 基本事項
まず基本的な画面調節機能はこちら。
- ゲイン
- STC
- フォーカス
- デプス
- ドプラ
- パルス
この内容はどの領域を検査するにしても重要な項目です。
詳細は参考書の最初のページにだいたい載っているのでそちらを参照してください。
✓ 特殊な設定
上記では基本的な設定をお話しましたが、他にもメーカーによって色々な設定ができます。
上級者になると色々な設定を駆使しながら最適な画像を残しています。
そういう人達の見学に入ると
「えっ?今どこいじったの?」ってことが多々あります。
あまりそういう画面調節の事は教えてくれる人はいないので見学の時に積極的に聞くようにすると今後の検査に役立ちます。
✓ 簡単に画面調節できる機能もある
色々お話しましたが、もし設定が出来なくてもB-モードの画質をボタン一つで輝度、コントラスト等を最適に自動調整する機能設定してくれる「クイックスキャン」というものもあります。
これに頼りすぎるのは良くないですが覚えておくと便利です。
② プローブの持ち方を学ぶ
私はプローブの持ち方についてはとても苦労しました。特にお腹の時ですね。
プローブの持ち方って人それぞれ異なるので、 いろんな方の見学に入り自分自身の持ち方の参考にするといいでしょう。
個人的な注意点
超音波検査は腕の固定や力の入れ方によって腕に負荷がかかり故障する方がちらほらいます。
だいたい「テニス肘」と言われる外側上顆炎です。
もし故障すると超音波検査をする間ずっと病院に通わないといけない可能性もあるので、できる限り故障してない人を目安に観察すると良いですね。
もちろん故障した方も改善して持ち方を変えてる方やその人の体質などもあるので参考程度にお役立ててください。
③ 描出しづらい時の対処法を学ぶ
患者の体型や状態によって描出しづらい人はいっぱいいます。
例えば、
- 脂肪による深部減衰
- 消化管ガス
- アーチファクト
とかですかね。
上級者は何気なくこの問題を解決しながら綺麗な画像を描出していますが、そこを見逃さないよう注力して見学してみてください。
きっと実際自分がやってみると同じように出ません。
だいたい上級者がやっていることは
- プローブによる圧迫
- 体位変換
- 多方向から見る
などです。この内容をしっかり観察することが大切です。
もし自分が検査に入る時にただ単に「描出不良」で終わらさないようにしっかり学び、対処しながら検査できるようになりましょう。
④ 患者への声かけを学ぶ
検査時の患者の声かけとして多いのが腹部の時ですね。
腹部の時には臓器を下に落とすために呼吸操作として息止めをします。
初心者の場合は息止めの時間が長い傾向にあるのでどの位の感覚なのかしっかり観察しましょう。
また、先程お話した消化管ガスを移動させるためにプローブで圧迫することもあります。
その時は「ちょっと押しますね~」とか「痛かったら言ってくださいね~」など患者さんへの心遣いも忘れないように。
そして、患者に何か質問された時の返答の仕方などあんまり検査に重要ではなさそうですがそこも大切です。
例えば
この検査はどんな検査ですか?
何を見ているんですか?
は結構な確率で聞かれます。
事前にみんなが説明している内容を覚えておくと便利です。
⑤ 見学に入るときは簡単な症例から
もし事前に見学する患者を選べるならば、1番最初は簡単な症例から見学することをおすすめします。
初心者がいきなり難しい症例から入ると覚えることが多すぎて最終的に得られる情報が少ないように思います。
とりあえず①~④でお話した内容を意識して見学に入って下さい。
もしある程度出来るようになったら難しい症例に行きましょう。
難しい症例では通常ではやらない機器調節やプローブ走査など学ぶことがいっぱいあります。
1回見るだけでも今後の検査に役立つので積極的に入って見ましょう。
⑥ 見逃しがちなポイント
検査の流れとして基本的な患者情報の設定の仕方や画像転送方法もここでしっかり観察しましょう。
実際自分が検査に入ると意外と「あれ?どこだっけ?」ってなることがあります。
最終的に自分一人で検査するとなると外せないところです。
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。