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『感染制御認定臨床微生物検査技師』とは?概要や資格取得方法について徹底解説!

質問者

感染制御認定臨床微生物検査技師ってどんな資格かな?資格取得の流れも知りたいな。

こんな疑問に答えます。

こんにちは。臨床検査技師のカエルです。

現在の医療現場では、多職種の医療従事者が連携しながら一人の患者の治療にあたるチーム医療が推進されています。

チーム医療には、褥瘡対策チーム,緩和ケアチーム,糖尿病ケアチーム,栄養サポートチーム(NST),救急医療チーム,摂食・嚥下チーム,呼吸ケアサポートチーム,認知症ケアチームなどさまざまなチームがあります。

この記事では、チーム医療の1つである感染対策チーム(ICT)における臨床検査技師の資格『感染制御認定臨床微生物検査技師』について解説しています。

感染制御認定臨床微生物検査技技師は、日頃ICMT(Infection Control Microbiological Technologist)と呼ばれています。

上司に言われてとりあえず内容を把握したい人」「ICMTの資格を取得したい人におすすすめな内容となっています。

それでは、ぞうぞ。

感染制御認定臨床微生物検査技師とは

当制度は、医療関連の感染制御に貢献できるICMTの育成を図り、感染制御チームと協調して質の高い効果的な感染制御を患者に提供することを目的とした認定資格です。

具体的には、検査のスペシャリストである臨床検査技師が感染症・臨床微生物の検査に関する高度な専門知識・技術をもって感染対策・治療に貢献しています。

2006年より資格制度が施行され、認定者は776名(2022年1月1日現在)となっています。

2020年以降新型コロナウイルス感染症の拡大により、感染症対策の重要性が再認識されており、今後注目される資格の1つになると考えらています。

感染制御認定臨床微生物検査技師の役割

近年、様々な薬剤耐性菌の増加やその耐性機構の複雑化により、感染対策も検出微生物に応じた対策が必要となっています。

その中で、臨床検査技師は細菌検査結果を最初に知ることから、院内感染の発生などの情報発信の拠点であり重要な役割を担っています。

さらにICTと同時に、抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)の一員としても活躍しており、薬剤耐性菌検出患者および血液培養陽性患者リスト作成、菌種別薬剤感受性率(アンチバイオグラム)の作成などの情報も提供し貢献しています。

臨床検査技師の役割をまとめると以下の通りです。

  • 院内感染対策上、重要な微生物を検出した場合の迅速報告
  • 各病棟の感染症患者情報の把握・管理
  • アンチバイオグラムの作成
  • 院内感染発生状況のサーベイランスと評価
  • 病棟環境ラウンド
  • 地域連携活動
  • 院内感染対策に関する教育・啓発活動 など

現在、厚生労働省が示す外来感染対策向上加算におけるICT設置基準には、臨床検査技師は3年以上の病院実務経験が条件です。

しかし、細菌検査室で勤務していない臨床検査技師にとっては細菌知識が乏しく情報提供するのみが限界であり、データに対して討論することができないのが現状です。

それに対しICMTは、感染症や微生物における専門的知識・技能を有するとともに学会や研修会へ参加し、新しい検査方法や薬剤耐性菌についての情報収集を行っているため、柔軟で幅広い視点から情報提供することができます。

今後、ICT設置基準にはICD(インフェクションコントロールドクター)やICN(感染制御看護師)に並びICMTも資格取得が求められ、当資格の役割は大きくなっていくと思われます。

それではICMTについてわかったところで、受験資格について見ていきましょう。

感染制御認定臨床微生物検査技師の受験資格

ICMT受験資格

  • 認定臨床微生物検査技師である者または受験申請を提出している者
  • 医療関連の感染制御に関する活動実績がある
  • 所属施設長の推薦がある
  • 感染制御に関する研修会に参加し、指定された研修単位を取得している

✔ 認定臨床微生物検査技師(CMTCM)とは

認定臨床微生物検査技師とは、感染症・臨床微生物の検査に関する専門知識をもち、院内感染の制御に取り組む臨床検査技師であることを証明する認定資格制度です。 

当資格を取得するには学会発表や学術論文などの実績を重ね、認定試験に合格することが必要であり難易度の高い資格です。

逆に行ってしまえばこの資格さえ取得できたならICMTの取得は簡単だとも言えます。

認定臨床微生物検査技師の資格についてはこちらをご覧ください。

✔ 医療関連の感染制御に関する活動実績があること

ICMTの条件には日々感染制御に取り組み、チームに貢献している証明として活動実績が必要です。

主として、感染制御部への所属、感染対策委員会委員、感染対策チーム、学生への感染制御に関する教育・指導またはそれらに準ずる活動などが含まれます。

当資格を取得しようと思っている人は実際ICTとして活躍している人がほとんどなので、この条件は特に問題ないでしょう。

✔ 感染制御に関する研修会に参加し、指定された研修単位を取得している

必須研修単位取得は30単位以上です。

研修会の各単位については、感染制御認定臨床微生物検査技師(ICMT)制度をご覧ください。

1つの目安としては、協議会所属の7団体の学術集会参加が1回10単位のため、3回出席するのがスムーズかと思います。

主な学会と最近の開催日時は以下の通りです。

日本臨床微生物学会第34回日本臨床微生物学会総会・学術集会
2023年2月3日(金)〜5日(日)
日本臨床衛生検査技師会第71回日本医学検査学会in大阪
2022年5月21日(土)22日(日)
日本臨床検査医学会第69回日本臨床検査医学会学術集会
2022年11月17日(木)〜20日(金)
日本臨床検査同学院第69回日本臨床検査医学会学術集会
2022年11月17日(木)〜20日(金)
日本感染症学会第96回日本感染症学会総会・学術集会
2022年4月22日(金)〜23日(土)
日本環境感染学会第37回日本環境感染学会総会・学術集会
2022年6月16日(木)〜18日(土)
日本化学療法学会第70回日本科学療法学会総会
2022年6月3日(金)〜5日(日)

申請の流れ

申請方法は以下のような流れになります。

① 既に認定臨床微生物検査技師(CMTCMに合格している場合

  • 11月 書類提出  
    • 申請受付期間 
      2022年11月1日~2022年11月30日<消印有効> 
  • 12月 合否通知

  • 認定料納入

  • 翌年1月 ICMT登録

  • ICMTの認定証交付

② 同年度でCMTCMICMTを受験する場合

  • 6月 申請 提出
    • 申請受付期間 
      2022年6月1日〜2022年6月30日<消印有効> 
  • 8月中旬 資格審査結果通知 
    • 受験票送付
    • 受験料納付               
  • 9月〜11月 指定講習会受講 

    認定研修施設に5年以上勤務している受講資格者は任意 

  • 11月 試験 

  • 12月 合格発表 

  • 認定料納入

  • 翌年1月 CMTCM・ICMTの登録

  • CMTCM・ICMTの認定証交付 

✔ ①の場合の申請費用

計 15,000円

費用の内訳

申請料:5,000円
登録料:10,000円

✔ ②の場合の申請費用

計 70,000円

受験費用の内訳

CMTCM:55,000円

ICMT:15,000円 

更新

最後に資格更新についてです。

ICMTは認定を受けてから5年毎の更新となります。

更新時の条件は以下の通りです。

ICMT更新条件

  • ICMTとして認定された後も引き続き認定臨床微生物検査技師である
  • 認定を受けてから5年間、病院感染制御や学術活動に継続して貢献しているとともに実績がある
  • 更新までの5年間に30単位以上の研修単位を取得している

更新の条件は申請時の要項と同様です。

質問者

ICMTと認定臨床微生物検査技師の更新日が違う場合、同時に更新する方法はないの?

多くの人がまず認定臨床微生物検査技師の資格を取得してからICMTを取得していることが多いため、更新日がずれることがあります。

その場合に応じてICMTと認定臨床微生物検査技師(CMTCM)を同時に更新できるように対策が取られています。

CMTCMの更新日を基準にして以下のようになっています。

更新料は、CMTCM更新料 10,000円 + ICMT更新料

ICMT(更新料)合計
5年目
(5,000円)
15,000円
4年目
(4,000円)
14,000円
3年目
(3,000円)
13,000円
2年目
(2,000円)
12,000円
1年目
(1,000円)
11,000円

以上、ICMTの資格について解説してきました。

今後の受験者の参考のため、当資格について情報提供して頂ける方を募集しております。当サイトのお問い合わせまたはTwitter(@Kaeru372022)のDMへご連絡いただけますと幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

終わり

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