心電図検定って最近よく聞くけど、どんな資格なんだろう。資格取得の流れが知りたいな。
こんな疑問に答えます。
こんにちは。カエルです。
心電図検査とは、心臓の筋肉に流れる電流を波形として記録したもので、簡単でかつ体に負担の少ない検査法です。
心電図波形から「心肥大」「心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患」「不整脈」などを見ることができます。
心電図は医療従事者を目指す者であれば、どの職種でも必要とされる知識ではないでしょうか。
その中で、最近人気の資格が「心電図検定」です。
この記事では、心電図検定の概要から受験の流れ、試験内容などについて詳しく解説しています。
「心電図検定の内容が知りたい人」「今年受験したい人」におすすめな内容となっています。
記事の信頼性
筆者は、心電図検定1級を取得。実際の経験を踏まえて解説しています。
それでは、どうぞ。
心電図検定とは
心電図検定とは、日本不整脈心電学会が主催する検定です。
2015年から始まったまだ経歴の浅い資格ですが、年々受験者数は増加しており、2023年1月の受験者は9,875人と人気な資格の1つとなっています。
試験は年1回。併願はできません。
受験資格は、心電図に興味がある人であれば誰でも受験可能です。
心電図検定は、よく医療資格で見かける学会の所属や実務経験、定期的な更新が不要なため気軽に受験することができます。
誰でも受験できることから、最近では学生の受験者も多くなっています。
学生であれば今後の就活で有利となることは間違いありませんし、社会人であっても転職活動に有利となる資格であると言えます。
心電図検定を受験するメリット・デメリットについては、こちらの記事をご覧ください。
各階級の難易度
階級は4級・3級・2級・1級の4段階制。
それぞれの難易度については日本不整脈心電学会は以下のように説明されています。
階級 | 難易度 |
---|---|
4級 | 基礎的な判読力 |
3級 | 基礎〜中等度の判読力 |
2級 | 中等度~高度な判読力 |
1級 | 高度な判読力 |
自分の心電図レベルってどのくらいかな?どの階級を受験したらいいんだろう。
そのような方には、こちらの記事をご覧ください。
受験の流れ
では次に、受験の流れや受験料、開催場所について見ていきましょう。
✔ 受験の流れ
- 9月 申し込み
申込みはオンライン申込みのみです。 - 11月中旬 受検票の発送
試験の10日前までに受検票が発送されます。 - 12月 試験
- 1月 合格発表
合否結果は学会HPで合格者の受験番号が表示されます。
マイスターはネット上に名前が掲載されます。 - 2月 合否通知の発送
合格者には合格証とバッジが送付されます。
\2023年度 最新情報/
第9回(2023年度)心電図検定試験
【申込み開始日】
2023年9月7日(木)〜
【試験日】
2023年12月9日(土) 4級・1級
2023年12月10日(日)3級・2級
年々人気度が高まっていることもあり、開催場所によっては申し込み初日で満席になるから注意が必要だよ!
✔ 受験料
各級によって受験料が異なります。
- 3級・4級:6,000円
- 2級:8,000円
- 1級:10,000円
✔ 開催地
仙台・大宮・東京・名古屋・京都・神戸・福岡
※神戸の会場は、3級と2級のみとなります。
試験の概要
では次に、試験の内容について詳しく見ていきます。
試験問題は、心電図波形と患者の既往・自覚症状から答えを導き出す問題です。
日本不整脈心電学会の心電図クイズが実際の試験問題と類似しているため、1例を挙げると、以下のような問題です。
✔ 試験の詳細
出題形式 | マークシート方式 |
解答形式 | 5つの選択肢から該当する1つまたは2つを選ぶ |
問題数 | 50問 |
試験時間 | 4級:70分 1~3級:90分 |
合格基準は、何点以上が合格と明確な基準は提示されていませんが、だいたい6割以上が合格ラインです。
判定については以下の通りです。
判定 | 合計点 |
---|---|
A | 50~45点 |
B | 44~40点 |
C | 39~30点 |
D | 29~20点 |
E | 19~0 点 |
なので、C判定以上が合格ラインと思われます。
各階級別の合格率は以下のとおりです。
年度 | 1級 | 2級 | 3級 | 4級 |
---|---|---|---|---|
2016 | 53.4% | 64.5% | 76.1% | ー |
2017 | 55.3% | 63.6% | 74.8% | ー |
2018 | 57.2% | 67.1% | 73.6% | ー |
2019 | 51.2% | 68.3% | 73.1% | 79.5% |
2020 | 中止 | 中止 | 中止 | 中止 |
2021 | 54.5% | 68.4% | 76.4% | 81.8% |
2022 | 54.5% | 69.1% | 75.9% | 84.0% |
2023 | 54.7% | 66.7% | 75.5% | 82.2% |
平均 | 54.4% | 66.8% | 75.1% | 81.9% |
各階級の合格率平均は、
4級:80%
3級:70%
2級:60%
1級:50%
最も階級の低い4級は80%と合格率が高く、階級が上がるに連れて合格率も10%ずつ低くなっていることが伺えます。
心電図は独学でも合格できる!勉強法をおさえることが重要
心電図は医療系の学校に通っていれば必ず勉強する項目ですが、苦手な人も多いはず。
「心電図は独学でも対応できる?」や「一人で勉強するのが不安」と感じる人も多いかもしれません。
心電図の幅広い能力が求められる心電図検定は難易度が高く思えますが、実際は独学でもしっかりと対策をすれば級に関係なく合格が可能です。
ただし、合格するためにはレベルごとに必要な対策を行うことが不可欠。
これから心電図検定対策を始める方は、どのような学習法が必要か見ていきましょう。
【全級共通】心電図検定に独学で合格するための勉強法
では、心電図検定に独学で合格するために必要な全級共通の勉強法ポイント3選についてお話します。
全級共通の勉強ポイント
- 出題範囲・科目・配点・出題数を確認する
- 過去問で試験全体の傾向をつかむ
- 苦手な箇所に絞ってノートにまとめる
① 出題範囲・科目・配点・出題数を確認する
効率よく勉強を進めるには、まず「敵を知ること」から始めましょう。
試験の出題範囲やそれぞれの配点と出題数を把握しておくことが大切です。
試験の全体像をつかむ意味でも、出題内容を知っておくことは合格に向けた第一歩となります。
② 過去問で試験全体の傾向をつかむ
実際に過去問を解いてみることで、問題量や出題形式、難易度、時間配分をつかむためのヒントを得られます。
しかし残念ながら、心電図検定の過去問は公表されていません。
心電図検定を主催している日本不整脈心電学会が出版している問題集があるため、それを過去問として活用しましょう。
問題集を解いて試験全体の傾向をつかんでおきましょう。
③ 苦手な箇所に絞ってノートにまとめる
全ての内容を1からまとめる勉強方法は、時間がかかる割に得られるインプット量が少ないため、基本的にはおすすめしません。
ただし、自分にとって苦手な箇所を集中的にまとめるのであれば、理解を深めたり記憶を補完したりする上で有効な場合があります。
ノートにまとめる際は、なるべく時間をかけず重要事項のみを箇条書きで書き出し、インプットの時間に費やしましょう。
【各階級】心電図検定に独学で合格するための勉強法
前の章で話した【全級共通】の勉強法を踏まえた上で、次に各階級別の勉強方法について見ていきましょう。
各階級の問題の傾向、平均の勉強時間、おすすめの参考書などを別の記事にまとめています。
自分が受験したいと思っている階級を選んで、勉強の参考にしてみてください。
以上、心電図検定について解説してきました。
心電図検定は最近人気が高いことから、申込みをしようとしてもすぐ満席になっていしまうので、受験するにも一苦労です。
心電図検定の最大のメリットは、1回取得していしまえば一生の資格として保持することができることです。
この記事を読んでるあなた!
「今後の将来のため」または「自身のスキルアップのため」に第一歩を踏み出しましょう!
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最後までお読みいただきありがとうございました。
おわり