心電図 資格

認定心電検査技師とは?受験資格や受験の流れなど徹底解説!

質問者

認定心電検査技師ってどんな資格かな。受験資格や試験内容も詳しく知りたいな。

こんな疑問に答えます。

こんにちは。臨床検査技師のカエルです。

心電図の資格と言えば、日本不整脈心電学会が主催している心電図検定」や「認定心電図専門士」が有名ですね。

それ以外にも日本臨床衛生検査技師会が主催する認定心電検査技師」があります。

この記事では、認定心電検査技師の概要から受験の流れについて詳しく解説しています。

心電図の資格に興味がある人」「とりあえず試験の内容が知りたい人」におすすめな内容となっています。

JHRSが開催している資格についてはこちらをご覧ください。

それでは、どうぞ。

認定心電検査技師とは

認定心電検査技師とは、一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会(日臨技)が主催で行っている認定資格です。

日臨技は、

  • 認定一般検査技師制度
  • 認定心電図検査技師制度
  • 認定臨床染色体遺伝子検査
  • 認定病理検査技術制度
  • 臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師制度
  • 医療技術部門管理資格認定制度/医療管理者認定制度
  • 認定認知症領域検査技術制度
  • 認定救急検査技術制度

多くの認定資格を主催している職能団体です。

認定心電検査技師制度は、臨床に関わる心電図検査の専門知識および高度な技術を有し、後進の指導、育成が出来る人材を認定する資格です。

心電図検査は、心電図波形を読み取る判読知識も重要ですが、正しく装着できてこそ、適正な検査が可能となります。

同様な資格であるJHRS認定心電図専門士では心電図の基礎知識や判読力がメインの筆記試験ですが、当資格では筆記試験と実技試験があり、記録時の技術も兼ね備えた試験内容となっています。

2022年時点の認定者は844名。

資格取得後は、5年毎の更新が必要です。

資格を得ることで、心電図検査に関する高度な専門知識と技能を身につけられるともに、転職を有利に進められ、自身のキャリアアップに繋がることでしょう。

資格の概要がわかったところで、それでは受験資格について見ていきましょう。

受験資格

受験資格は以下の4つに該当するもののみが受験することができます。

受験資格

  • 臨床検査技師の国家資格を有するもの
  • 日臨技の会員であること
  • 心電図業務に 3 年以上従事していること
  •  受験の前年度までに「日臨技生涯教育研修制度の履修を修了していること

✔ 日臨技の会員とは

臨床検査技師として働いている人の多くが加入しています。

入会のメリット・デメリットは以下のとおりです。

入会メリット

  • 日臨技共済制度
  • 研修会参加無料(一部の実技講習会を除く)
  • 学習ツールが充実している(770円/月)
  • 海外短期留学の支援

医療告訴も年々増加しており、臨床検査技師個人が訴えられる時代。

過去にあった採血による神経損傷では、4000万もの賠償金が課せられた事例もあります。

日臨技では共済制度があり、保険料を負担して業務中の賠償事故を保証する「臨床検査技師賠償責任保険」があるため、安心して業務を行うことができます。

また、研修会の開催頻度も多く、学習ツールも充実しているので、基礎から応用まで幅広く学ぶことができます。

入会デメリット

  • 年会費が高い

会員になるには、

❶各都道府県の技師会

❷日本臨床衛生検査学会

の2つに入会する必要があります。

入会金は2,000円
❶が東京都の場合、年会費は17,000円かかります。

費用の内訳

入会金:2,000円

各都道府県【東京都】7,000円

日臨技:10,000円 

他の学会にも入会しているのであれば、年間費がかさみ自己負担が大きくなってしまいます。

✔  日臨技生涯教育研修制度の履修

日臨技生涯教育研修制度とは、検査技師の知識・技術水準の維持向上を目指すものであり,会員の生涯にわたる自発的な学習を組織的に援助する制度のことをいいます。

日臨技生涯教育研修制度の履修修了には、合計200 点以上の研修参加が必要です。

200点の内訳

基礎教科( 60点以上 ) + 専門教科( 140点以上 ) = 合計 200点以上

研修方式は以下の2つがあります。

◇ 総会,学会,研修会,講習会等に出席Zoomビデオでの開催あり
◇ eラーニングWeb学習のシステム(770円/月)

どちらもオンライン上で視聴することができますが、付与される点数が大きく異なるので要注意です。

付与される点数は以下のとおりです。

◇ 総会,学会,研修会,講習会等に出席の場合20点
◇ eラーニング2点

受験申請まで時間がない人」「あまり時間が取れない人」の場合は、総会,学会,研修会,講習会への出席がおすすめです。

受験の流れ

では次に、受験の流れと受験費用について解説していきます。

以下に示すのは、2022年度の受験の流れです。

  • 9月  申し込み開始 

    2022年9月15日(木)〜2022年11月1日(火)
    募集人数:100名

  • 11月 試験 

    2022年11月27日(日)
    開催場所:幕張メッセ 国際会議場

  • 2月 合格発表

【速報】2023年度の試験日

2023年11月26日(日)

✔ 受験費用

合計 25,000円

費用の内訳

受験申請料:20,000円

登録料:5,000円

試験内容

試験には筆記試験と実技試験があります。

実技試験は、従来は被験者を使って心電図検査を行う実技試験でしたが、2021年度から実技の内容を踏まえた筆記試験と試験内容が変更となっています。

当日の流れは以下のとおりです。

9:20~10:10受付
10:10~10:30筆記試験(オリエンテーション)
10:30~12:00筆記試験①
12:00~13:00休憩
13:00~13:20筆記試験(実技試験相当)オリエンテーション
13:20~14:50筆記試験②

✔  試験の詳細

出題形式【筆記試験①】マークシート方式(全50問)
【筆記試験②】記述形式
試験時間全180分
【筆記試験①】90分
【筆記試験②】90分
試験範囲認定心電検査技師制度カリキュラム
• 心電図総論
• その他の心電図検査
• 検査の実際
• 心電計の構造と性能
• 心電図精度管理
• 安全対策・感染対策・その他
• 正常心電図、電気軸の異常、心房、心室負荷
• 正常不整脈
• 脚ブロック
• 徐脈性不整脈
• 上室不整脈
• 心室不整脈
• 虛血性心疾患
• その他の疾患

↓実際受験した方の口コミ↓

2022年合格者:30代男性

第15回認定心電図検査を受験し合格した上での経験を語ります。

試験はマーク式の筆記+記述形式で行われました。

マーク問題は50問あり、心電図関連の知識(測定装置や各病態の心電図上での知識を問うもの)+心電図判読が20問程度でした。

認定心電図試験では講習会で紹介されていた事項に関連した問題が数問でました。これらについても勉強が必要です。それでも聞いたことの無い問題が少なくとも2~3問でたと思います。

実技記述筆記は書くべき文章量の多さが大量ですが、問題そのものは比較的容易です。

引用元:JQOS.jp 認定心電検査技師 受験者の声

合格率

過去の合格率は以下のとおりです。

実施年受験者数合格者数合格率
2021年95人32人33.7%
2019年109人69人63.3%
2018年111人66人59.5%
2017年106人68人64.2
 引用元:JQOS.jp 認定心電検査技師 受験者の声

過去の合格率はおおよそ60%前後。近々の2021年度の合格率は33%となっています。

2021年の試験では、実技試験の内容が筆記試験に変わったこともあり、合格率が大きく下がったことが伺えます。

勉強方法

勉強方法は、試験を主催している日本臨床衛生検査技師会(JAMT) が出版している2冊が必須本です。

✔ JAMT 技術教本シリーズ「循環機能検査技術教本」

循環機能検査の基礎が網羅され、循環器の生理から、心電図測定を中心とした循環機能検査の手技のノウハウ、心電図の読み方のポイントまで、1冊で幅広い知識を習得できます。実技試験の基準ともなるため合格するための必読書です。

✔ JAMT 技術教本シリーズ「循環機能検査症例集」

心電図波形の典型症例から特殊症例まで豊富な94症例が掲載。試験では、画像から疾患を問う問題が多いため、試験対策として役立つ1冊です。

更新方法

最後に、更新方法について簡単に解説します。

更新は5 年毎

更新料は5,000円です。

更新条件は以下のとおりです。

  •  日本臨床衛生検査技師会会員を継続していること
  •  日臨技生涯教育研修制度の履修を認定期間内に修了していること
  •  認定期間内に研修30単位以上を取得していること
  • 実技試験に相当する研修会のいずれかを受講していること

更新には、日臨技生涯教育研修制度の履修や研修会参加が必須です。

5年間という期間が設けられていますが計画的な単位取得が必要です。

以上、認定心電検査技師について解説しました。

これから受験する方の参考になれば幸いです。

本記事をお読みいただいてる皆様へのお願い

今後受験する方に向けて情報提供していただける方を募集しています。当HPのお問い合わせまたはTwitter(@Kaeru372022)のDMへご連絡をお待ちしています。 

最後までお読みいただきありがとうございました。

おわり

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